sanso114の日記

日々気になったことを気楽に書き留めています。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

対談する人(4)・・・R2.3.31②

その4 (司会者)はいはい、申し訳ありませんでした。それでは次に、「お茶する人」。これに付いては如何ですか? 偶然にしても、「計算する人」から始まりましたので、ちょうどいいから、発表された順に見て行きたいと思います。 (春山)《何か引っ掛かる…

対談する人(3)・・・R2.3.31①

その3 出版の話を決め、藤沢慎二が気持ち好くなってショッピングセンターの方に向かった頃、麻矢はおもむろに携帯を取り出した。 麻矢より晶子へメール ねえねえ。お宅のご主人、自費出版をする積もりらしいわよ。出版社の人にうまいこと言われて、ローンを…

対談する人(2)・・・R2.3.30③

その2 約束の日、藤沢慎二は駅前の喫茶店「みつばち」の馴染みの席に座っていた。これまで色々と恥ずかしいところを見せて来たので多少臆するところはあったが、大分経つからもうそろそろほとぼりが冷めた頃だろうという楽観的なところと、今日は曲がりなり…

対談する人(1)・・・R2.3.30②

その1 10月上旬、書斎の窓から見える刈り取られた田んぼの周りに咲き揃う彼岸花が美しい。窓を開ければ、さわさわと庭木の梢を揺らす秋風が心地好く頬をくすぐる。 藤沢慎二は勤務する心霊科学研究所の緊急特別業務による休日出勤を一昨日の土曜日に終え…

ため息とともに去りぬ・・・R2.3.30①

人は好奇心の塊である。それ故、気の合う仲間が何人か集まると、わいわい、がやがや、色んなものに興味を示して思わぬアイデアが飛び出し、人生が楽しくなる。しばし憂さも晴れようというものだ。 逆もまた真なりである。独り暇を持て余して悶々としていると…

初夏の滝で冷や汗⁉・・・R2.3.29②

昭和も末の初夏の或る晴れた日曜日こと、何とか1週間の仕事を終えて気が楽になった中宮悠斗は、子どもの頃から世話になっている書道塾の先生、増山健吾から紹介された見合いの相手、瀬川葉月と待ち合わせの約束をした梅田の大型書店、紀伊国屋の前に急いだ。…

20✖✖年宇宙の旅⁉・・・R2.3.29①

今から大分後のこと、或る町に相野旅人と言う、ちょっと格好は好いが、かなり気弱なお兄さんが住んでおった。 この頃になると、庶民にとっても宇宙旅行がかなりポピュラーなものになり、今の貨幣価値から言ってほんの30万円も出せば、月まで行き、月の石焼…

年上の人・・・R2.3.28③

よく学校の教師と生徒の性愛のことが記事になり、大抵は男性側が教師で、ロリコン扱いされる。女性側が教師なのはまれである。女性が産む性であることを考えると、まあそれが自然の摂理のようだ。 ただ、何事にも例外はある。上記の様に、まれではあっても女…

暫しお時間を(3)・・・R2.3.28②

その6 趣味って生きがい以上!? 「そうですよねえ? お仕事は勿論大切だけど、それだけでは何だか淋しい・・・。分かりますわぁ~。そこで大切になって来るのが趣味!? 秋山様はメルヘンを書かれるんだったら、立派なものですよぉ~。よかったら見せて頂けま…

暫しお時間を(2)・・・R2.3.28①

その3 故郷は遠くにありて・・・ 「そう。そうなの? それは淋しいわねえ、おばあちゃん・・・」 お多福出版のトップセールスレディーである大山佳代は心底そう思っているように深い目をしながら続ける。 「でもね、おばあちゃん、本当に息子さんがおばあちゃんの…

暫しお時間を(1)・・・R2.3.27②

その1 物語は如何ですか? お多福出版のセールスレディー、大山佳代は常にトップの成績を維持していた。 容姿が特に優れているわけではない。身長は154cmほどであるから、今にすれば低い方だろう。それなのに体重が50kgを切ったことがないから、まあま…

過ぎたるは及ばざるごとし⁉・・・R2.3.27①

ここは山奥の村。初夏から晩夏にかけて都会の人達が緑陰を求めて遙々森林浴にやって来るぐらいの、緑となだらかな山並み以外には、取り立てて何もないところでした。 この村に1人の物静かな少女がいました。 山奥のこととて、その少女には、近所に同年代の…

笑う門には福来る⁉・・・R2.3.26②

近頃、新型(豚)インフルエンザの件で我が国はほとんど何とか騒動に近い状態になりつつあるが、それから100年ほど後のこと、我が国民は益々面倒なことを嫌うようになり、自然とお上からの管理が徹底するように流れて行った。 初めこそ彼方此方元気筋から文…

待てば海路の日和あり⁉・・・R2.3.26①

棚から牡丹餅、他人の疝気を頭痛に病む、とは昔から言われて来たことである。確かに、 ・転げ込んで来た思わぬ幸福に喜ぶ。 ・他人から悪い気を貰って無駄に悩む。 外に漏れ出すほど気の強い人のそばに居ると、どちらもあり得ることである。どうせなら、幸せ…

昼下がりの散歩・・・R2.3.25②

捨てる神あれば拾う神あり? アレン・マー 今から100年ぐらい後のこと、霊能者、正木剛の協力もあって、自由を求める気が肉体から飛び出した後、残った穴を、取り敢えず色んな気によって満たすことが出来るようになった。これを応用すれば、アルツハイマ…

叩けよ、さらば開かれん?・・・R2.3.25①

佐箕田順平はちょっと古風な名前をからかわれることが多かった。名前だけではなく、カルト的に妙に物知りなことと、一寸、流石、然りとて、相俟って等、文語的な漢字、言葉を好んで使うので、周りの子ども達はどうしてもいじりたくなるのだ。 と言っても、彼…

通勤ショートショート(その3)・・・R2.3.24③

白い人 白は普通、あなたに従いますという意味で結婚や降伏を表わす色として使われる。また新生や再生を表わす色として生や死に関する儀式に用いられる場合も多い。いずれにしても他の色に比べて純粋性を表わしている。 しかし、一方で白は、白濁、白い目な…

意識する人・・・R2.3.24②

こんな日は家で不貞寝をしていたい それでは惨め仕事に出るか 2月14日、今日は世に言う聖バレンタインデーである。私のように生まれてからこの方、あまり持てた記憶がない男にとっては結構辛い日なのである(※)。 いっそのこと家で不貞寝でもして居たかっ…

ガラス細工・・・R2.3.24①

本当の私、運命の愛、究極の純愛、至福の涙と言った甘い幻想に憧れている海野良造は韓流が大好きです。少ない小遣いの中から何とかレンタル料を捻出し、暇があれば韓国ドラマや韓国映画のビデオを楽しんでいます。 《冬のソナタ、嗚呼、何と切ない愛なんだろ…

コロナ禍の中、午後のひとコマ・・・R2.3.23③

漸く春めいて来た。格好の散歩日和である。 なんて、喜んでばかりもいられない。新型コロナウィルスの所為で、おちおち人が集まりそうなところには行っていられないから、買い物がてらの散歩のコースはいきおい、平日の昼下がり、空いていそうな大型ドラッグ…

理想のパソコン⁉・・・R2.3.23②

藤沢慎二はかねてから、キーボードに指を置いただけで湧くように文書が打ち出されるパソコンはないものか!? と夢見ていました。 要するに書くことに少々疲れを覚えていたのです。 でも、何か纏まったものを書いてみたい。 そのジレンマから、そんな下らな…

早春の道・・・R2.3.23①

孝弘君は体格がよく、のんびりしています。シャイなところがあり、余程慣れないと思っていることを中々口に出せず、友達はほとんどいないようです。 雅也君は幼なじみ。時には腹を立てながらも、気長に付き合っていました。孝弘君が本当は優しく、ユーモラス…

通勤ショートショート(その2)・・・R2.3.22③

その2 赤い糸 世の中には信じられないことがままあるもので、それが好ましい人との縁の場合、運命の赤い糸と言ってみたりする。 ところで、赤い糸とは一体何だろう? 本当にそんなものがあるのだろうか? 不思議で仕方がなかったロマンチストの秋山本純は、…

海辺のひと時・・・R2.3.22②

砂浜で視線意識し膨らます 上腕筋やナルシストかも 砂浜で両脚を投げ出し、両腕を支えにしてもたれ掛かるように座れば、藤沢慎二の日々腕立て伏せを繰り返して鍛え上げた上腕三頭筋がぐっと膨らむ。 「ねえねえ、あれ見てぇ~。凄い筋肉っ!」 「ほんと、凄…

愛しの金枝玉葉・・・R2.3.22①

藤沢千晶は今、九歳。小学校の四年生になり、ママの晶子の肩を頭半分越した。クラスでも高い方で、自分に似てスラリとしているから、晶子はちょっと得意である。 成績はまあまあ。運動もほどほど。でも、絵は味があって上手いし、ピアノも前に出されるぐらい…

山の神様も切れた!?・・・R2.3.21②

梅雨空の下、生駒は今日も霞の中にぼんやりと覗いている。自宅の最寄り駅から生駒駅に向かう車窓から見るとはなしに目をやっていた藤沢慎二の耳に、ちょっと気になる話が飛び込んで来た。 「ほら、あそこ。変な形をしてるやろぉ~?」 「確かに・・・」 生駒山…

私と言葉の隠れた部分・・・R2.3.21①

藤沢慎二は前の職場に居るとき、とぼけたことを書き捲ったてへぼな短歌や俳句を添えた日記をコピーして配ったり、緊張した場面でとぼけたことを言ったりした所為で、当時流行りの癒し系に分類されていた。地に足をつけて日常生活を送っているものからすれば…

愛の渡し舟!?・・・R2.3.20③

愛に悩むことの多い相賀望は、当然愛について考えることが多かった。 そして元々書くことが好きな望は、自然と愛をテーマにした詩を書くことが多くなった。 愛、其れは命 人は皆 命の限り生きて行く 生きていれば きっと誰かを好きになり そっと寄り添い 抱…

其々の老後に何拓く⁉・・・R2.3.20②

暫らく前、まだ定年退職していない頃のこと、藤沢慎二は以前に居た職場で親しく付き合っていた同僚達からの誘いを受けて、京橋(大阪の)にあるイタリアンパブに出掛けて行った。 慎二は飲めない口なので、イタリアンとか上に付いているのがちょっと嬉しかった…

無責任な奴ら⁉・・・R2.3.20①

また週末がやって来た。 週末になると自然と弾み出すのは庶民にとって普通のことであるが、沈み出すのもまたよくあることである。 たとえば、子どもに手が掛かる、家族と顔を合わせているのが面倒等の理由は、望ましくはないにしても、頷ける人もまあまあ居…