2021年12月31日(金)、2022年1月1日(土)の2日間で時差-8時間のガルミッシュ=パルテンキルヘン(ドイツ)のラージヒル(K点125m、HS142m)においてスキージャンプ・ワールドカップ男子の個人戦が開催され、昨日の22時頃から、その決勝(通算で第11戦)が行われて、微妙な判定や複雑なゲートの上げ下げのある中、日本のエース、小林陵侑が緊張しながらも見事優勝した。
この試合はジャンプ週間の第2戦ともなっている。
今シーズンはこれで8戦に出て3連勝の5勝目、7回目の表彰台登壇で、通算24勝目、41回目の表彰台登壇となった。
勝利数では勿論我が国1位で、その記録を更新中であり、表彰台登壇では師匠の葛西紀明に次いで単独2位で、これも記録を更新中で、また一歩葛西紀明の記録に近付いている。
世界的に見れば勝利数がベスト10に入り、表彰台登壇でベスト20に入っているから、益々世界的な選手となっており、我が国ファンの声が大きくなって、ネットの記事でも色々な意見が飛び交うようになった。
そして総合点ではずっと首位に立っていたカール・ガイガー(ドイツ)を抜き、遂にトップに躍り出た。
スキージャンプ週間に付いても首位を維持しているから、ともかく凄い!?
陵侑や緊張しつつ勝って魅せ
陵侑やメンタル強く勝って魅せ
陵侑やジャンプ週間首位走り
微妙な判定と言うのは、2位に入った地元ドイツのマルクス・アイゼンビヒラーとの関係において、解説者の発言および画面を通しての印象およびその後のファンの声等による。
先ずマルクス・アイゼンビヒラーの1本目の着地がかなり傾き、見方によってはテレマークが入ったとも言えないようなのに、飛形点がドイツの審判の18.5ポイントを筆頭に、結構高かった。
師匠の葛西紀明が言っていたように、右側から見難いのもあったのかも知れないが、それならばそこの改善がなければ、画面を通した印象と違い過ぎる!?
そしてマルクス・アイゼンビヒラーは2本目で確り距離を伸ばし、しかも左右に傾いてはいなかったが、テレマークが入らなかったので、飛形点がぐっと下がっていた。
これを一部のファンが言うように、上手く採点の均衡を取ったと思うのか、それともあくまで見え方の問題だったのか!?
また、複雑なゲートの上げ下げと言うのは、風の向き、強さが目まぐるしく変わり、基本的にそれに対応しようとするものであるが、解説者によると、どうしても有利不利が出るようだ。
ここにも一口挟みたくなるファンがいても仕方が無いところか!?
ともかく、そんな中でも、自らの緊張があっても、確りとテレマークを入れ、距離が大幅に短くなっても何とか勝った小林陵侑の凄さを認めたい。
ファン目線色々あれど勝つところ
流石陵侑其れで好いかも
なお、この試合では1本目50名が2人ずつの25組に分かれ、各組で勝った方が2本目に進み、負けた方の中から上位5名が2本目に進むノックアウト方式を採用している。
今回の主な選手の成績は以下のようであった。
順位 氏名 1本目(m) 2本目(m) 得点
1 小林陵侑 143.0 135.5 291.2
2 マルクス・アイゼンビヒラー(独) 141.0 143.5 291.0
3 ロブロ・コス(スロベニア) 135.5 138.0 286.0
4 マリウス・デンドヴィック(ノルウェー) 138.0 138.0 283.7
5 ヤン・ホアル(墺) 134.0 132.0 274.9
6 佐藤幸椰 132.5 130.0 267.9
7 カール・ガイガー(独) 130.0 127.5 265.0
8 ハルボルエグナー・グランルード(ノルウェー) 128.0 140.5 264.2
12 キリアン・パイアー(スイス) 130.5 132.0 261.8
13 ロベルト・ヨハンソン(ノルウェー) 132.0 135.0 261.2
23 アンチェ・ラニセク(スロベニア) 130.0 135.0 257.6
20 中村直幹 130.5 130.0 249.0
29 伊東大貴 127.5 128.0 241.4
他には小林潤志郎も予選を通過したが、1本目で44位となり、残念ながら2本目には進めなかった。
また、レジェンドのカミル・ストッフ(ポーランド)も1本目47位で2本目に進めなかった。
それから、ここまでの主な選手の総合ランキングは以下のようになっている。
順位 氏名 総合点
1 ↑1 小林陵侑 696
2 ↓1 カール・ガイガー(独) 675
3 ー ハルボルエグナー・グランルード(ノルウェー) 473
4 ー マリウス・デンドヴィック(ノルウェー) 437
5 ↑2 マルクス・アイゼンビヒラー(独) 407
6 ー アンチェ・ラニセク(スロベニア) 385
7 ↓2 シュテファン・クラフト(墺) 380
8 ー キリアン・パイアー(スイス) 330
9 ↑2 ヤン・ホアル(墺) 299
10 ↓2 ロベルト・ヨハンソン(ノルウェー) 293
13 ↓1 カミル・ストッフ(ポーランド) 216
19 ↓2 中村直幹 157
20 ↑4 佐藤幸椰 155
25 ↓2 小林潤志郎 117
34 ー 伊東大貴 46
44 ↓1 佐藤慧一 10
なお、次戦はジャンプ週間の個人第3戦となり、1月3日(月)、1月4日(日)(現地時間)に時差-8時間のインズブルック(オーストリア)において行われ、これまでと同様にCS放送のJスポーツでライブ中継されるので、楽しみに待ちたい。
また、小林陵侑はユーチューブを使って自ら発信し始めており、全体にのんびりした雰囲気で、身近に感じられたり、珍しい内容だったり、興味深い時もあり、テレビにも取り上げられていた。
時間がある時には覘いてみると好いかも知れない。