12月28日(火)、12月29日(水)(現地時間)に時差-8時間のオーベルストドルフ(ドイツ)のラージヒル(K点120m、HS137m)においてスキージャンプ・ワールドカップ男子が開催され、今日の未明、その決勝(通算で第10戦)が行われ、雨が降る続け、風が吹く難しい状況の中、日本のエース、小林陵侑が逆転して見事優勝した。
この試合はジャンプ週間の第1戦ともなっている。
今シーズンはこれで7戦に出て2連勝の4勝目、6回目の表彰台登壇で、通算23勝目、40回目の表彰台登壇となった。
勝利数では勿論我が国で1位で、その記録を更新しており、表彰台登壇では師匠の葛西紀明に次いで単独2位で、また一歩葛西紀明の記録に近付いている。
世界的に見れば勝利数がベスト10に入り、表彰台登壇でベスト20に入っているから、益々世界的な選手となっている。
総合点では2位を維持し、首位に立つカール・ガイガー(ドイツ)が今回5位だったので、その差をまた縮めた。
陵侑やまた逆転し強さ魅せ
陵侑や総合首位にまた迫り
今シーズン序盤は小林陵侑にとって中々厳しい状況が続いていたが、それでもじわじわと抜きん出た実力を示し始め、好調を維持してジャンプ週間に入っているから流石ではないか!?
開幕戦のニジニタギル(ロシア)の第1戦では2位に入ったので、北京冬季五輪に合わせて調子が上がって来ていることに喜び、第2戦への期待を膨らませ掛けたら、その予選でスーツの規定違反により失格となり、あっさりと出場出来なくなってしまった。
それでも、2か所目のルカ(フィンランド)では第1戦(通算で第3戦目)で見事優勝し、通算20勝目を挙げている。
ここでまた期待が膨らませ掛けたら、第2戦の前のPCR検査で引っ掛かってしまい、再検査も無く、この後暫らく休まなければならなくなってしまった。
そして3か所目のクリンゲンタール(ドイツ)の個人第1戦(通算で第6戦目)で復帰して7位に入り、第2戦(通算で第7戦目)では優勝して今シーズン2勝目、通算では21勝目となったから凄過ぎて、ただただ感心してしまう。
今回、4か所目のエンゲルベルク(スイス)の個人第1戦(通算で第8戦目)では好調を維持し、カール・ガイガーに次ぐ2位に入っていたので、個人第2戦(通算で第9戦目)は大いに期待を膨らませていたら、その期待に応えて見事優勝し、今シーズン通算3勝目、通算で22勝目を挙げていた。
そして今回触れているスキージャンプ週間の第1戦に入ったが、予選で1位となり、これはクリンゲンタール(ドイツ)から5戦連続となり、これもまた凄い。
決勝では雨が降り頻り、風が強くなったり、弱くなったり、方向を目まぐるしく変えたり、それに対応するべくゲートを下げたり、上げたり、そんなややこしい状況にも動じず、1本目5位からの逆転勝利であるから、圧倒的な力を示し始めている!?
陵侑や風雨気にせず勝って魅せ
陵侑や風雨を制し勝って魅せ
なお、この試合では1本目50名が2人ずつの25組に分かれ、各組で勝った方が2本目に進み、負けた方の中から上位5名が2本目に進むノックアウト方式を採用している。
今回の主な選手の成績は以下のようであった。
順位 氏名 1本目(m) 2本目(m) 得点
1 小林陵侑 128.5 141.0 302.0
2 ハルボルエグナー・グランルード(ノルウェー) 132.0 133.0 299.2
3 ロベルト・ヨハンソン(ノルウェー) 135.5 131.0 298.6
4 マリウス・デンドヴィック(ノルウェー) 129.5 137.5 296.3
5 カール・ガイガー(独) 131.5 131.0 295.9
7 マルクス・アイゼンビヒラー(独) 129.5 132.5 281.1
11 小林潤志郎 127.0 124.5 261.2
12 シュテファン・クラフト(墺) 126.5 123.0 260.1
14 キリアン・パイアー(スイス) 121.5 125.0 256.8
16 佐藤幸椰 117.0 123.5 252.8
20 中村直幹 121.5 119.0 248.1
23 アンチェ・ラニセク(スロベニア) 116.0 121.5 241.3
他には伊東大貴、佐藤慧一も予選を通過したが、1本目でそれぞれ34位、46位となり、残念ながら2本目には進めなかった。
また、レジェンド級のカミル・ストッフ(ポーランド)も1本目41位で2本目に進めなかった。
それから、ここまでの主な選手の総合ランキングは以下のようになっている。
順位 氏名 総合点
1 ー カール・ガイガー(独) 639
2 ー 小林陵侑 596
3 ー ハルボルエグナー・グランルード(ノルウェー) 441
4 ↑2 マリウス・デンドヴィック(ノルウェー) 387
5 ー シュテファン・クラフト(墺) 380
6 ↓2 アンチェ・ラニセク(スロベニア) 367
7 ー マルクス・アイゼンビヒラー(独) 327
8 ー キリアン・パイアー(スイス) 308
9 ↑3 ロベルト・ヨハンソン(ノルウェー) 273
12 ↓1 カミル・ストッフ(ポーランド) 216
17 ↑1 中村直幹 147
23 ↑1 小林潤志郎 117
24 ↓1 佐藤幸椰 115
34 ↓2 伊東大貴 44
43 ー 佐藤慧一 10
なお、次戦は年末年始のジャンプ週間の個人第2戦となり、12月31日(金)、1月1日(土)(現地時間)の年跨ぎで時差-8時間のガルミッシュ=パルテンキルヘン(ドイツ)において行われるので、楽しみに待ちたい。
また、小林陵侑はユーチューブを使って自ら発信し始めており、身近に感じられる内容なので、テレビにも取り上げられていた。
時間がある時には覘いてみると好いかも知れない。