sanso114の日記

日々気になったことを気楽に書き留めています。

人は見かけが9割!?(48)・・・R2.6.29①

            その48

 

 令和2年6月29日、月曜日の朝のこと、藤沢慎二は何時も通り今の職場である心霊科学研究所東部大阪第2分室に7時50分頃に着いて、玄関ホールでタイムカードをスリットした後、そばに置いてあるアルコール消毒液を掌に溢れんばかりにたっぷりと取り、手指を丸めたり、伸ばしたり、擦り合わせたり、爪の間にも染み込ませようと指先を掌でトントンしたりし、ともかく丁寧過ぎるぐらい念入りに消毒する。

 この消毒液は大分前から置いてあり、来客も含めてそこを通る人の皆が日に数回ずつは使う所為か? この頃は何だか減りが早いように思われる。幾ら呑気で不精者の慎二でも一旦使い始めると、そうしないことが結構大きな不安になって来るのであった。慎二はそれぐらい小心者で、同調圧力に弱いタイプでもあった。だからついでに洗面所に寄って、持参した米国製超強力うがい薬で何回もうがいをしておく。

 そんな一定の安心感が得られるまでの儀式的なことまで済ませて執務室に入って来たら、これも何時も通り、既に正木省吾、すなわちファンドさんが来て居り、スマホを観てはぶつぶつ言いながらしきりにメモを取っていた。その変わらなさ加減にも結構大きな安心感があった。

「おはよ~う」

「おはようございま~す」

 習慣的な朝の挨拶を交わした後、もしかしたら梅雨入りしてから蒸し暑くなって来た影響もあるのか? 梅雨の合間にもしっかりと感じられるほど紫外線が強くなっている効果も大きいのか? 我が国では急速に新型コロナウイルス感染症が収まっていること、また全国的に緊急事態宣言に続いて休業要請、更に都道府県をまたぐ移動の自粛要請も解除されている所為で早速気の緩みが出始めているのか? 福岡県、大阪府、神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県、北海道等と、広範囲に亙ってまだ新たな感染者が中々0人を維持出来ていないこと、時には無視出来ない数が出ていること、大阪でも難波、梅田、天王寺、京橋等の繁華街で人波は確実に増えて来ていること、通勤電車や駅に学生が見られるようになり、程々に混んでいるときも増えたこと、外国では米国、ブラジル、イギリス、イタリア、ロシア、インド、イランと相変わらず広範囲に亙って猛威を振るっていること等、ひと通り世間話をし、それから慎二は自前の中古ノートパソコン、「神の手」をおもむろに開いた。そしてそばには、上手く書けたと思う時は即座にブログにアップ出来るように、テザリング用に格安のSIMを挿したスマホまで用意しておく。

 他人の目も意識して何処まで書くか何か迷うところでもあったのか? その後は暫らく考え、それからおもむろにメインに使っているスマホを取り出し、家を出る前、通勤電車の中等でメモしておいたものを見直しながら起こして行く。また、この日は前日のことを思い出しながら書き加えておくことにした。

 ファンドさんの関心は既に投資関係の記事に移っており、またスマホの液晶画面を見詰めてぶつぶつ独り言ちながら、熱心にメモを取り始めた。

 

          朝のひと時雑詠

 これは昨日の午後のことであるが、休みも残り少なくなったので、ちょっとサザエさん症候群になっていた。

 天気が回復していたので、そろそろ買い物がてらの散歩にでも出ようかと思っていたが、休みの残り時間を考えると、ちょっと勿体なくなって来た。

 それで楽天市場から届いたばかりのANKERのブルートゥーススピーカー、SoundCore2(改善版)にスマホからラジコを飛ばして聴きながら日記を書くことにした。

 このスピーカーは以前に買ったSoundCoreに比べると、確かに低音が出るようになっている。

 SoundCoreは安くて小さい割に意外にましな音が出ていると言う感じであった。

 それでも聴いていると、やはり低音が物足りなくはなって来る。

 それがSoundCore2(改善版)ではかなり改善されているから、他社の上位機種に比べてみようかと言う力を感じさせる。

 ただ、アマゾンでは音量が不安定になると言うレビューが散見され、もしかしたらそうかもと思われる事象が「あいみょん」の「マリーゴールド」が流れている時に感じられた!?

 少しの間、何だかお風呂で聴いているかのように声が遠くなったのである。

 暫らくは注意しておく必要がありそうだなあ。フフッ。

 

        中華製スピーカ微妙注意して

 

        中華製スピーカ微妙注目し

 

 ところで、明日(今日のこと)からもこの休み中にネットで注文した物が何回か届く予定である。

 その内の幾つかは、レビューでの評判は好いが、微妙な面もあるようで、その辺りも楽しみにしている。

 それはまあともかく、今日(昨日のこと)はここまで読書、書き物とまあまあ楽しんだし、この後は何をしようか?

 そう言えば、この休み中はあんまり韓国ドラマを楽しんでいないなあ。

 レンタル落ちのDVDを買った「星も月もあなたへ」が後半の重い部分に掛かっており、ジャケットの簡単な説明を読むと余計に進まなくなるようだ。

 折角買ったのであるから、最後の山場は気合を入れて視なくてはなあ。フフッ。

 

        韓ドラの山場重くて四苦八苦

 

        韓ドラの山場重くて止まりがち

 

 ドラマと言えば、楽しみに視ているNHKの朝ドラ、「エール」が一旦停止に入った。

 明日からは第1回目からの再放送期間に入るそうな。

 その辺りは視ていなかったから、まあ視ておくことにするか!?

 そして今朝のこと、4連休が終わった。

 今日からまた3日連続の出勤日である。

 天気の方は今日一杯持ちそうであるが、明日は雨、明後日は曇りと出ており、次に晴れ間がありそうなのは木曜日となっている。

 ともかく、明日の行き帰りが鬱陶しそうである。

 と言うわけで、途中で外に出る予定をしていた今日は何とか濡れずに済みそうだ。

 そう思うと、少しは気が楽になる。

 さて、もう直ぐ7月になる。

 未だに彼方此方で新型コロナウイルスの感染者が出ており、収束と言うよりもむしろ、またじわじわ増えつつあるのではないかと思わせられる。

 今回、行動力のある若い人の割合が増えているようで、それが近接者に広がり出すと、ちょっと怖い気もする。

 事実、東京から大阪、そして地方へと言うような感染経路もネットでは出ていた。

 外国からと言うこともあった。

 一気に気を緩めて近接、密接と言うのは未だ早過ぎると言うことであろう。

 

        未だ距離を取って付き合い大事かな

 

        未だ距離が大事と意識忘れずに

 

 そんな中、もう直ぐ通勤電車に乗らなければならないが、乗換駅の生駒では否応なしに密接、密集を求められる。

 今求められている仕事は中々テレワークに踏み切れないだけに、もしこのままじわじわ新たな感染者が増えて来ると、今後更なる工夫が求められそうである。

 なんて書いている内に、そろそろ出る準備に掛かる時間が近付いて来た。

 その仕事のことについてはまあいいとして、今日の楽しみは悪天候で昨日から順延になっているゴルフの国内女子ツアーの最終日か!?

 昨日1日の中休みがどう影響するのか!?

 それも楽しみになって来る。

 

        女子ゴルフ中日影響楽しみに

 

        女子ゴルフ最後の粘り楽しみに

 

 ただ、その後の試合がまたずっと中止となっているのがちょっと寂しい。 

 それはまあともかく、今、最寄り駅から通勤電車に乗り込み、乗換駅の生駒に向かっている。

 ちょっと余裕を持って座っているので、立っている人が増えて来た。

 この感じと、東京都では新型コロナウイルスの新たな感染者が増えつつあることがどうも相容れない。

 そう言えば第1波の初期もこんな感じであった。

 大阪府が人口の割に少ない!?

 そんな気がしたものである。

 それがその内にそうでもなくなり、完全に動きを止めてしまった感があるから、これがそうならないことを願いたい。

 つまり、これが第2波ではないことを願いたい。

 もし第2波であっても、何らかの有効な手立てが出来つつあることを願いたい。

 なんて、他力本願ばかりのような気がするなあ。フフッ。

 

        コロナには他力本願ばかりなり

 

        コロナ禍や頼るばかりの情けなさ

 

 それはまあともかく、生駒トンネルを抜けても日差しが明るく、今日はそれが気持ちを明るくしてくれる。

 弾ませてくれる。

 これもまあ他力本願だけどね。フフッ。

 では今、自分で出来ることって一体何だろう!?

 その弾んだ気持ちで少しは前向きなことを考えるとか?

 少し問題が大きくなるが、未だ危険な状態になっていない内に、共存、共生の方法を模索するとか?

 

        余裕ある内に共存模索して

 

        余裕ある内に共生模索して

 

 ところで、先日上司との面談で聴かれたことであるが、来年度への仕事の延長等に付いて、もし要請されるのであれば、考える必要があるような気もして来た。

 どう言う状況になろうが、決めた通りに仕事から卒業するのは我がままな気もしつつある。

 ただ、自分からそんな風には持って行きたくない。

 自分から言い出せば仕事をくれそうには思うが、実際には若い力が余っており、其方に頼る方が実際には好い。

 それは経験上かなり確かなことのように思われる。

 それでも支援的に必要であれば、それは迷わずに引き受けることにしたい。

 なんて今のところは考えている。

 こんな風に前向きになっているのも明るい日差しの所為かも知れないなあ。フフッ。

 

 その辺りまで書いて、自分なりには今日も上手く書けたと思い、慎二がしみじみとしていたら、

「おはようございま~す」

「おはようございま~す」

「おはよ~う」

 井口清隆、すなわちメルカリさんが執務室に入って来た。

 慎二はちょっと迷い、メルカリさんの方に「神の手」の液晶画面を向け、見せながら問いかける。

「どう、これぇ? 今日もまあまあ上手く書けたと思うんやけどなあ・・・」

 それだけのことで小心者の慎二は、緊張が高まって耳をひくひくさせている。

「ブログさん、相変わらず毎朝、よう精が出ますねえ。どれどれ・・・」

 気の好いメルカリさんはそう言って半分呆れ、半分感心しながら、さっと目を走らせた後、その目を曇らせて、

「これ、ほんま心配ですねえ。折角収まったと思ったのに、大阪もまた新たな感染者が出て来ているし、東京なんかこの1週間は毎日のように50人前後出ている・・・。夏休みの旅行の予定が狂うぐらいやったらええけど、子どもらの学校やブログさんの退職の予定にまで影響して来そうやしぃ・・・」

《おっ、まだこのよれよれになりつつある俺に仕事をさせる気かぁ~!? 辛いなあ。フフッ》

 と半ば喜び、半ば不安になりながら慎二は、

「そうやなあ。一体どうなるんやろぉ!? 来シーズンからもまだ暫らく仕事、せなあかんのかなあ・・・」

 と本当に求められているかどうか確かめるように言うと、鋭いメルカリさんにはそれが分かったのか? でも簡単にはその流れには乗りたくなかったのか? にゃっとして、

「でも、これまで長いこと働いて気はったんやし、ここは無理せんと、予定していた通り卒業しはったらよろしいやん」

 と言いながら軽やかに立ち上がり、コーヒーを淹れに行った。

 そう言われてしまうと、ほっとしながらも、何だかもう求められていないようにも思え、慎二は肩透かしを食ったような顔になっていた。

 そこに事務を担当している若い依田絵美里がお茶を持って来て、慎二の机の上にそっと置き、「神の手」の液晶画面にさっと目を走らせる。

 それから真摯な目になって、

「でも、無理ではなかったらこれからも力を貸して下さったら助かります。これは何も私だけではなく、他の皆さんも心の中ではきっとそう思われていますよ」

 と言い、返事を待たずに離れて行った。

 現金なもので、それで慎二の表情はサッと明るくなり、「神の手」を閉じて、てきぱきと動き始めた。

 

        第二波が程なくやって来たならば
        色々予定狂い出すかも

 

        無理は嫌で用が無いのはもっと嫌

        年を重ねりゃ微妙なのかも