sanso114の日記

日々気になったことを気楽に書き留めています。

人は見かけが9割!?(33)・・・R2.6.4②

              その33

 

 令和2年6月3日、水曜日の朝のこと、藤沢慎二は何時も通り今の職場である心霊科学研究所東部大阪第2分室に7時50分頃に着き、タイムカードにスリットした後、そばに置いてあるアルコール消毒液で手を消毒する。

 これは大分前から置いてあり、来客も含めてそこを通る人の皆が日に数回ずつは使う所為か? この頃は何だかやけに減りが早いように思われる。幾ら呑気で不精者の慎二でも一旦使い始めると、そうしないことが結構大きな不安になって来るのであった。慎二はそれぐらい小心者で、同調圧力に弱いタイプでもあった。だからついでに洗面所に寄って、うがいもしておく。

 そんな一定の安心感が得られる程の儀式的なことまで済ませて執務室に入って来たら、既に正木省吾、すなわちファンドさんが来て居り、スマホを観てはぶつぶつ言いながらしきりにメモを取っていた。

「おはよ~う」

「おはようございま~す」

 習慣的な挨拶を交わした後、我が国では急速に新型コロナウイルス感染症が収まっていること、全国的に緊急事態宣言に続いて休業要請も解除されている所為で気の緩みが出始めたのか? 福岡県、神奈川県、東京都、北海道等と、広範囲に亙ってまだ感染者が時には増えたりもしていること、大阪でも難波、梅田等の繁華街で人波が増えていること、通勤電車や駅に学生が見られるようになり、程々に混んでいるときも増えたこと、ファンドさんの一番の関心事である株価に相変わらず大きな変動が起こっていること等、ひと通り世間話をし、慎二は自前の中古ノートパソコン、「神の手」をおもむろに開いた。そして、上手く書けたと思う時は即座にブログにアップ出来るように、テザリング用に格安のSIMを挿したスマホまで用意しておく。

 個人的なことを含めて何処まで書くか何か迷うところでもあったのか? その後は暫らく考え、それからおもむろにメインに使っているスマホを取り出し、通勤電車の中、待ち時間、隙間時間等にメモしておいたものを見直しながら起こして行く。この日はそれだけではなく、書いている内に思い出したことも書き足していた。

 ファンドさんの関心は既に投資関係の記事に移っており、またぶつぶつ言いながら熱心にメモを取り始めた。

 

         朝のひと時雑詠

 今日で3日連続の出勤日である。

 ちょっと疲れが溜まって来たが、私にとっては週末でもある。

 その嬉しさがあった所為か? 今朝は起きて直ぐに韓国ドラマを視始めた。

 何時もであればブログを更新しているところである。

 さて、先日申し込んだカードの審査が通ったようであるから、この週末は買い物を楽しまなくっちゃね。フフッ。

 

        次々とカードが溜まり金が減り

 

        次々とカードが溜まり金欠に

 

 それはまあともかく、今日は以前に靴下屋で買った1枚200円の布製マスクをして出た。

 価格的には使い捨てマスクの5倍ぐらいである。

 臭いが違うのと、大きさが違うのとで、ちょっと落ち着かない。

 洗っている内に落ち着いて来るのであろうか?

 そんなに長くは持たない気もするし、微妙な価格設定ではあるなあ。フフッ。

 

        久々の布製マスク落ち着かず

 

        久々の布製マスク微妙かな

 

 さて、職場の最寄り駅が近付いて来たようである。

 この前はこの辺りで書き物に集中したのか? 乗り越してしまった。

 今日は気を付けなくっちゃね。フフッ。

 

        乗り越さぬ強い決意でメモを閉じ

 ところで、今日は職場にブルトゥーススピーカーを1本持って来た。

 仕事を終えてから、職場に置いてあるパッシブスピーカーを1組を持ち帰るつもりである。

 家ではこの頃、価格的に同じレベルのスピーカーを繋ぎ替えて様子を見ているが、実際にはあまり変わらないのだろう。

 それに今日持ち帰るつもりでいるスピーカーは同じメーカーの製品であるから、益々差が分からないかも知れない。

 それはまあともかく、今日の仕事を終えたら休みに入るかと思うと、何だか気が抜けたようで、軽く頭痛がして来た。

 なんて書いていたら、この頃彼方此方が消毒されており、自分でも出来る範囲で消毒をするから、自然と消毒薬を吸っていることを思い出した。

 それはまあともかく、今放送しているNHKの朝ドラ、「エール」では、この頃二階堂ふみが演じる古関金子をモデルにしたヒロインの古山音よりも三浦環をモデルにした柴咲コウが演じる双浦環の存在感が光る!?

 気になって三浦環を検索してみたら、このところ検索数がえらく上昇していた。

 それに柴咲コウも。

 実際の三浦環はちょっと男っぽくも見えて、小梅太夫を思い出してしまった。

 何でも巨漢だったらしく、古関裕而夫妻と共に観た大相撲の升席の件はちょっと笑ってしまう。

 然もありなん。

 実際のオペラ歌手はふくよかな方が多く、たとえば娼婦が結核で死ぬような役には違和感があるのが普通!?

 なんてことを今、ソプラノ歌手、藍川由美の「古関裕而歌曲集」(日本コロンビア株式会社発売、1996年1月録音)を聴きながら書いている。

 本はまだ買えていないが、色々発展的にしてみたくなるドラマである。

 ドラマ自体は面白いが、韓国ドラマに比べるとあっさり系でもの足りない面もある。

 まあそこが日本的で、それぞれに行間を楽しめば好いのかも知れない。

 その余白を残してくれているとでも思えば好いのだろうなあ。フフッ。

 

        朝ドラの足りない部分追い求め

 

        朝ドラの足りない部分調べ出し

 

        朝ドラのもの足りなさを追い求め


        朝ドラのもの足りなさを埋め始め

        朝ドラの行間を読みまた楽し

 

        朝ドラの行間調べ楽しみに

 

 さて、現実の古関裕而は1909年の生まれであるから、大東亜戦争の頃は中年期に入った頃か?

 当然のように軍歌の作曲、戦地への慰問等にも関係していたようだ。

 そんな当たり前のことに自責の念を持つ優しさもドラマはよく伝えている!?

 それはまあともかく、子どもらが将来に向けて動き始めている。

 連休に入ってからその為のリクリートスーツを何処で買えば気楽か? 下調べをする予定である。

 どうせそんなに高い物は買わないのであるから、何処でもいいようないものであるが、子どもらはちょっとしたことを面倒臭がるので仕方が無い。

 少しは親らしいことをしなくっちゃね。

 なんて思わせてくれることに感謝すべきかも知れないなあ。フフッ。

 なんて、一体誰に!?

 

        親バカや手取り足取り飛び立たせ

 

        親バカや手取り足取り旅立たせ

 

 その辺りまで書いて、自分なりには今日も上手く書けたと思い、慎二がしみじみしていたら、

「おはようございま~す」

「おはようございま~す」

「おはよ~う」

 井口清隆、すなわちメルカリさんが執務室に入って来た。

 慎二はちょっと迷い、メルカリさんの方に「神の手」の液晶画面を向け、見せながら問いかける。

「どう、これぇ? 今日もまあまあ上手く書けたと思うんやけどなあ・・・」

 それだけのことで小心者の慎二は、相変わらず緊張で耳をひくひくさせている。

「ブログさん、相変わらず毎朝、よう精が出ますねえ。どれどれ」

 気の好いメルカリさんはそう言って半分呆れ、半分感心しながら、さっと目を走らせて、
「そう言えば、今、綺麗な声の歌が掛ってましたねえ。ふぅ~ん、歌ってはる歌手は藍川由美って言うんですかぁ~!?」
 慎二の机の上に置いてあるCDのケースを手に取りながらしみじみと言うメルカリさんを見て、慎二はちょっとからかいたくなって来たようである。

「ええやろぉ~!? それにこのKENWOODのCDラジオ、中古で買ったけど、ええ音してるしなあ。でも、上げへんでぇ~! どうせ上げたらまたメルカリで売る気やろしなあ。フフッ」

「またそんなこと言う。僕、ブログさんに貰ったもの、売ったことなんて1回もないですよぅ~」

 それでも慎二は時々そんな風にメルカリさんをからかい、上げたものを果たして使ってくれているのか? 確認したくなるのである。

 メルカリさんもその辺の心理は分かっているようであるが、しつこく感じ始めたのか? 話題を替える。

「それはまあともかく、僕も視てますけど、エールは確かに面白いですねえ!? それに女優陣が中々好い・・・」

 若い子好きの慎二はそれだけで目を輝かせ始め、

「そうやろぉ~!? 流石メルカリさんやぁ! ほんでやなあ、その内でどの子が好いんやぁ~? 正直に言うてみぃ~」

「何や取り調べでも受けているみたいですねぇ!? まあ、音のお姉さんの関内吟の役やっている松井玲奈ですけどぉ・・・」

「あっ、やっぱりぃ! メルカリさん、何とか48とか何とか坂とか、好きやもんなあ!?」

 そう言いながら慎二はちらっと事務を担当している若い依田絵美里の方を見る。メルカリさんはちょっとロリーが入ってオタクっぽいと印象付けるかのごとくに。

 絵美里はオヤジ達の与太話を大して気にしていない風に、ただ笑っていた。

 メルカリさんはちょっと気になるように、やはりちらっと絵美里の方を見て、

「僕のことはもういいですけど、ブログさんはやっぱり柴咲コウですかぁ~!? あの人は可愛いと言うよりもええ女と言う感じですもんねえ。さあ仕事の用意を始めなくっちゃ!」

 答えを待たずにさっと立ち上がり、コーヒーを淹れに行った。

 それを見て絵美里がお茶を持って来て、慎二の机の上にそっと置き、

「私も視てます。小山裕一、佐藤久志、村野哲男、木枯正人、皆恰好が好いですねえ。そう思いません!?」

 そう言いながらちょっと遠い目をする。

 今、絵美里が頭の中であのイケメンたちを思い浮かべているのかと思うとちょっと悔しくなって来た慎二はその思いを断ち切るように、

「さて、俺もそろそろ仕事の準備に掛からなくっちゃ」

 と言いながら、もう絵美里のことから関心が離れた、振りをして職場で割り当てられているノートパソコン、「かりそめの幸せ」を開いた。

 絵美里はちょっと肩透かしを食らったような表情になり、直ぐに諦め、スゥーっと遠ざかって行く。

 

        其々に好みの役者浮かべつつ
        朝のドラマを楽しむのかも

        

        其々に好みの役者浮かべつつ
        日々の元気を得ているのかも