sanso114の日記

日々気になったことを気楽に書き留めています。

希望の光!?・・・R2.4.18②

 何が希望の光なのか? 最新の科学的成果を自分だけに上手く取り入れ、周りには自分の都合の好い成果だけを適用して、自分好みに人類の未来を切り開いて行こうとしている恐ろしく身勝手な科学者がここにいる。ドラえもん世代の藤沢浩太がその人であった。父親の慎二が与えたトラウマの所為だと言えばそうなのであるが、さて、本当にそう上手く行くものなのか!?

「お前も呆けたなあ、浩太・・・」

「何言うんやぁ、父ちゃん!」

 もう父ちゃんと呼ばれてから何年経ったのだろう。慎二は思い出そうとするが、はっきりとは思い出せない。

 時は208☓年。確か慎二は130歳近いはずだ。息子の浩太も90歳近くなり、呆けていても不思議ではない。

 浩太は初め歴史学者を志した筈であるのに、何時の間にか理系に転身し、今ではアンチエイジング学会の権威と自他共に認めるようになっている。どうやら歴史から歴史哲学に興味が広がり、そこから人類進化理論、人工知能、再生工学的医療と、どんどん今の立場に近づいて行ったようである。

 当然自分には最新の成果を応用し、慎二をはじめ、小中学校の教師、カウンセラー、精神科医等、自分にトラウマを与えた存在にはちょっとした意地悪を施している。どんな意地悪かは追々お話するとして、そんなわけで浩太は驚くほど若く見え、少しも呆けてなどいない。少なくとも外からはそんな風に見える。

 なるほど彼らに大して悪気などあったわけではない。ごく普通の親、教師、カウンセラー、医者、・・・であっただけで、単に愛情の表し方、説明の仕方、話の聴き方が下手なだけであった。それもほんの僅かばかり・・・。

 だが、感じ易い時期に強い影響を受け、そのトラウマを今にまで色濃く残している浩太にはそれをあっさりと水に流すわけには行かなかった。

「お~い、浩太。消えかかっているよぉ~。早くスイッチを、早く入れておくれぇ~。早くぅ~」

「爺さんにそんな風に迫られてもちっとも嬉しくないんだよぅ。フフッ。まだ大丈夫、まだまだ。もう少ししてからねっ! フフフッ」

 幼稚ではあるが非常に効果的な方法で浩太は、慎二をいびり、楽しんでいた。

「駄目だよぅ! 消えちゃうよぅ。ううっ。早く入れておくれよぅ~」

 慎二は生命エネルギーを表すインジケーターが0に近づき、自分の生命が今にも尽きそうに思えてならなかった。

 そう。慎二は今では肉体を持たず、人工知能の中だけに記憶としてのみ生き延びていた。無停電電源など当たり前の時代になってはいたが、それでも何かの事故が起こり、電気エネルギーの供給が滞るようなことがあれば、そして、変な電磁気的作用でも加われば、と考えると、慎二の生命の残り火など風前の灯同然である。それを極めて原始的な、だが効果的な、残存エネルギーのインジケーターという方法で分かるように示してある。はじめ赤いダイオード、それがやがて緑に変わり、最後は青に変わる。すべて混ぜ合わさり、白になればお終い。何だか昔流行ったゲームみたいなものであった。

 

        其々に希望の光残る内
        電気で記憶残せるのかも

 

     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

 

 もう大分前にどこで見たのかは忘れたが、或る脳科学者だったかが、人間なんて電気を入れている間は動いている電子機器のようなもので、記憶なんかも生きるのに都合の好いことが映し出されているだけ、なんて言っていたことがあった。

 だから、電気を切ればそれでお終い、とも。

 味気なく、寂しい話であるが、その感情なんかも思い込み!?

 訳が分からない、と言うか、分かりたくない話であった。

 その頃に書いたのが上の話だったように思われる。

 仕事が忙しい頃で、上のような断片的なところで止まっていることが多かった気がする。

 前に書いた文書の中に残っていたので、取り敢えず起こしておいた。

 機会があればもう少し膨らませてみたい。

 

 それはまあともかく、今、新たに地球型惑星の発見について言われているが、もし宇宙人が存在したとしても、今の地球の科学ではとても行けないし、向こうからも来られない話のようだ。

 でも、いま私たちが持っている科学の知見はあくまでも地球人が認識出来る範囲で考え出したものである。

 全く理解出来ないような現実が存在することを否定し切れない!?

 この辺り、興味深いところである。

 そんな風に今の現実であるコロナ禍から少しでも意識を遊ばすことが出来た人達は、上記のようなニュースに喜んでいたように見受けられる。