2月14日(金)~16日(日)の日程で、時差-8時間のオーストリア、タウプリッツ&バート・ミッテルドルフ(HS235m、K点200m)においてスキージャンプ男子ワールドカップが開催され、個人の第20戦、21戦、およびそれぞれの予選が行われる予定であった
金曜日に予定されていた第20戦の予選は強風の為に中止となり、土曜日に第20戦が無事行われた。
そして昨日の夕方、第21戦の予選が行われ、本戦が19時頃から始まったが、2本目は風に悩まされながら、中断を挟んで残り3人まで行った。
そこで中断が長くなり、協議の結果、中止し、1本目のみの記録で順位が決まった。
結果として第20、21戦が行われたことになるから、シーズン当初に予定されていた第22、23戦からはこれで2戦ずれたことになる。
優勝したのはオーストリアのエース、シュテファン・クラフトで、今シーズン3勝目、通算19勝目になったそうな。
クラフトや地元を飾るジャンプ魅せ
クラフトや地元を沸かすジャンプ魅せ
通算ではスノージャパンのエース、小林陵侑の少し先を言っている。
その小林陵侑は最長不倒に当たる? 242.5mを飛び、シュテファン・クラフトの230.0mより大分遠くまで飛んだが、両足着地になる等、評価が辛くなったようである。
2位に止まった。
両足着地はプロから観ても安全上仕方のないところもあるようである。
小林陵侑としては満足の行くジャンプだったようなので、まあ好かった、好かった。
ともかく、こんな大きな台で実力を発揮して魅せたところが俄かにせよファンにとってはホッとさせられた。
陵侑や納得出来るジャンプ魅せ
陵侑や誰より遠く飛んで魅せ
日本人選手としては小林陵侑(土屋ホーム)の他に、佐藤幸椰(雪印メグミルク)、小林陵侑の兄の小林潤志郎(雪印メグミルク)、中村直幹(東海大)、佐藤慧一(雪印メグミルク)、竹内拓(飯山市)が出場した。
小林潤志郎、中村直幹、竹内拓も1本目を飛べ、佐藤幸椰は残念ながらスーツの規定違反で失格となった。
個人第21戦の主な選手の結果は以下のようになっている。
今回は参考までに、予選で20位までの選手はその記録も添えておく。
名前 1本目m 得点 予選順位 距離m 得点
1位 シュテファン・クラフト(墺) 230.0 232.6 ④ 222.5 207.3
2位 小林陵侑 242.5 231.9 ① 228.5 214.3
3位 ティミ・ザイツ(スロベニア) 228.5 230.1 ② 223.0 208.7
4位 カミル・ストッフ(ポ-ランド) 232.0 229.4 ⓻ 218.0 201.4
6位 カール・ガイガー(独) 225.0 227.3 ⑲ 210.0 190.0
7位 ヨハンアンドレ・フォルファン(ノルウェー) 227.0 225.9
9位 ピオトル・ジワ(ポーランド) 223.5 220.1
10位 シュテファン・ライエ(独) 222.5 219.5
13位 マリウス・リンドヴィック(ノルウェー) 242.0 215.7 ⑥ 225.0 217.1
17位 ダニエルアンドレ・タンデ(ノルウェー) 217.0 209.6
19位 小林潤志郎 223.0 208.2
20位 ペテル・プレヴツ(スロベニア) 228.0 201.7
26位 フィリップ・アッシェンヴァルト(墺) 211.0 199.1 ⑩ 214.5 195.7
30位 竹内拓 201.5 183.6
32位 ダビッド・クバッキ(ポーランド) 199.0 181.5 ⑮ 212.0 193.5
35位 中村直幹 196.5 171.5
なお、男子の場合は一般的に予選で50位までが本番に出られ、本番の2本目に進めればポイントが貰える。
スキージャンプ個人のランキングに関係するポイントは1位100点、2位80点、3位60点、4位50点、5位45点、・・・、30位1点と配分されて行き、21試合を終えて以下のようになっている。
名前 総合得点
1位 シュテファン・クラフト(墺) 1273
2位 カール・ガイガー(独) 1135
3位 小林陵侑 1045
4位 ダビッド・クバッキ(ポーランド) 985
5位 カミル・スットフ(ポーランド) 759
6位 マリウス・リンドヴィック(ノルウェー) 713
7位 シュテファン・ライエ(独) 652
8位 ペテル・プレヴツ(スロベニア) 550
9位 ダニエルアンドレ・タンデ(ノルウェー) 548
10位 ピートル・ジワ(ポーランド) 525
11位 ヨハンアンドレ・フォルファン(ノルウェー) 510
12位 佐藤幸椰 491
13位 フィリップ・アッシェンヴァルト(墺) 471
22位 伊東大貴 253
28位 小林潤志郎 142
31位 佐藤慧一 82
39位 中村直幹 39
45位 竹内拓 28
50位 岩佐勇研 14
今回は比較的気に留まるスロベニアのペテル・プレヴツ(27歳、176㎝、65㎏)について少し触れておきたい。
ワールドカップの個人戦ではこれまでに22勝しており、表彰台には53回上がっている。
2013/2014年シーズン、2014/2015年シーズンと総合2位に輝き、2015/2016年シーズンは総合で1位となり、ジャンプ週間でも1位となっている。
2013年のヴァル・ディ・フィエンメの世界選手権ではラージヒルで銀メダルに輝き、ノーマルヒルで銅メダルに輝いている。
2014年のソチオリンピックではノーマルヒルで銀メダルに輝いている。
その他、団体戦で何度もメダルを獲得しており、中々の猛者である。
そろそろ活躍し始めているドメン・プレヴツは弟である。
今後もこの兄弟に注目して行きたい。
トップまで既に極めたペテルかな
兄弟をリードしているペテルかな
なお、次の大会は2月20日(木)~22日(土)に時差-7時間のルーマニア、ラスノフ・ルシュノヴ(HS97m)で開催され、第22、23戦が行われる予定である。
第22戦は21日(金)の22時頃から、第23戦は22日(土)の22時45分頃からの予定であるから、まあそんなに寝不足にならずに楽しめそうである。