待ち兼ねていたスキージャンプ男子のワールドカップ、２０１９／２０２０シーズンが１１月２２日(金)に始まり、１２月２８日(土)～２９日(日)の日程で時差－８時間のドイツのオーベルストドルフ(HS１３７m、K点１２０m)において個人第８戦が行われた。
これはジャンプ週間の第1戦にも当たるが、日本のエース、小林陵侑がジャンプに不利な追い風の中、他を圧倒するジャンプを見せ付け、今シーズンの３勝目、ジャンプ週間の１勝目を上げた。
これで小林陵侑はワールドカップ男子個人戦で通算１６勝目となって、レジェンド、船木和喜の１５勝を抜き、師匠のレジェンド、葛西紀明の日本記録である１７勝にあと１勝と迫っている。
またジャンプ週間では昨シーズンからの通算で５連勝となり、これはトップタイで、もし次の試合も勝てば世界新記録となるそうな。
今シーズン始まってからは４位、６位、６位と中々表彰台に上がれず、ちょっと不安になり始めていたが、どうやら腰を痛めていたそうで、超音波治療の甲斐あり、第４戦で漸く３位となって表彰台に上がり、第５戦で見事初優勝している。
そして第６戦では４位であったが、第７戦でも優勝して、好調のままジャンプ週間に臨んでいる。
この後も大いに期待したい。
なおこの大会にはA代表から小林陵侑(土屋ホーム)、佐藤幸椰(雪印メグミルク)、兄の小林潤志郎(雪印メグミルク)、伊藤大貴(雪印メグミルク)、中村直幹(東海大)、コンチネンタルカップ等を主戦場とするB代表から竹内拓(飯山市)、佐藤慧一(雪印メグミルク)が出ている。
陵侑や風にも負けずも圧倒し
陵侑や風にも揺れず勝って魅せ
陵侑や師匠の記録目の前に
陵侑や葛西の記録目の前に
予選では小林潤志郎が１３６．５ｍ、１５２．２ポイントで２位と好調で、小林陵侑が１３３．５ｍ、１４７．６ポイントで４位、佐藤幸椰が１２８．０ｍ、１３４．３ポイントで１６位、伊東大貴が１２５．０ｍ、１３１．９ポイントで２０位、中村直幹が１２２．０ｍ、１２２．８ポイントで３２位、竹内拓が１３０ｍ、１０８．７ポイントで５０位となって通過し、佐藤慧一は１１７．０ｍ、１０７．４ポイントで５３位となり、残念ながら通過出来なかった。
個人第８戦における主な選手の成績は以下のようであった。
名前 １本目ｍ 得点 ２本目ｍ 得点 合計点
1位 小林陵侑 138.0 154.8 134.0 150.3 305.1
2位 ｶｰﾙ･ｶﾞｲｶﾞｰ(独) 135.0 147.1 134.0 148.8 295.9
3位 ﾀﾞﾋﾞｯﾄﾞ･ｸﾊﾞｯｷ(ﾎﾟｰﾗﾝﾄﾞ) 132.0 143.8 133.0 150.9 294.7
4位 ｼｭﾃﾌｧﾝ･ｸﾗﾌﾄ(墺) 131.0 145.6 132.0 145.6 291.2
6位 ﾌｨﾘｯﾌﾟ･ｱｯｼｪﾝﾊｳﾞｧﾙﾄ(墺) 132.5 140.6 129.5 139.7 280.3
7位 佐藤幸椰 129.5 134.8 132.0 145.3 280.1
8位 ﾛﾍﾞﾙﾄ･ﾖﾊﾝｿﾝ(ﾉﾙｳｪｰ) 134.0 139.7 130.5 140.1 279.8
10位 ﾏﾘｳｽ･ﾘﾝﾄﾞｳﾞｨｸ(ﾉﾙｳｪｰ) 139.0 143.1 124.5 135. 4 278.5
11位 ﾏﾙｸｽ･ｱｲｾﾞﾝﾋﾞﾋﾗｰ(独) 134.0 143.7 123.5 134.1 277.8
17位 ｱﾝﾂｪ･ﾗﾆｾｸ(ｽﾛﾍﾞﾆｱ) 125.0 127.9 134.0 141.6 269.5
18位 伊東大貴 132.0 133.3 127.0 134.0 267.3
19位 ｶﾐﾙ･ｽﾄｯﾌ(ﾎﾟ-ﾗﾝﾄﾞ) 124.5 129.5 130.5 137.5 267.0
21位 ﾍﾟﾃﾙ･ﾌﾟﾚｳﾞﾂ(ｽﾛﾍﾞﾆｱ) 127.0 126.1 135.0 139.2 265.3
23位 小林潤志郎 128.5 135.5 125.5 128.6 264.1
27位 中村直幹 128.0 124.2 124.2
40位 竹内拓 114.0 107.7 107.7
42位 ﾀﾞﾆｴﾙｱﾝﾄﾞﾚ･ﾀﾝﾃﾞ(ﾉﾙｳｪｰ) 112.5 103.4 103.4
なおジャンプ週間の場合、予選を通過できるのは５０位までと、ここまでは普段と同じであるが、その後が違う。
５０人を２人組に分け、各組で勝った方の２５人と、負けた方の上位５人が２本目に進める。
だから中村直幹のように２７位でも２本目に進めない場合が生じるし、３１位以下でも１本目勝っていれば出られる。
また個人ランキングに関係する得点は１位１００点、２位８０点、３位６０点、4位５０点、５位４５点、・・・、３０位１点と配分されて行き、８試合を終えて以下のようになっている。
１位 小林陵侑 ５４０
２位 カール・ガイガー(独) ４２７
３位 シュテファン・クラフト(墺) ４１９
４位 フィリップ・アッシェンヴァルト(墺) ３１２
５位 カミル・スットフ(ポーランド) ２８７
６位 ダニエルアンドレ・タンデ(ノルウェー) ２７３
７位 ペテル・プレヴツ(スロベニア) ２２７
８位 アンチェ・ラニセク(スロベニア） ２２０
９位 佐藤幸椰 ２１４
１０位 マリウス・リンドヴィック ２０９
１１位 ダビッド・クバッキ(ポーランド) ２０４
１２位 ロベルト・ヨハンソン(ノルウェー) １７６
２３位 伊東大貴 ９２
３０位 小林潤志郎 ５５
３２位 中村直幹 ３５
３９位 竹内拓 １５
４１位 佐藤慧一 １２
次戦は１２月３１日(火)～令和２年１月１日(水)の日程で時差－８時間のドイツのガルミッシュ₌パルテンキルヘン(HS１４２m)において男子の個人第９戦が予定されており、これはジャンプ週間の第２戦目に当たる。
なお、ワールドカップ自体はその後も３月下旬のスロベニアのプラニツァまで続き、１１月下旬の開幕時から４か月に亘って転戦する。
